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Written By:
トーノZERO |
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「と言ってしまった勘違いはこれだ」 「既に準備済みの原稿なのに、まだ未公開だったってことだね」 「それを記憶にあるから勘違いして『前』と言ってしまったのだ」 本題 §「勝手なおいらも私的映画論をぶとう」 「なに?」 「映画は原作を無視する。原作通りには作らない」 「なぜ? 原作を尊重する良心的な映画人がいるかもしれないじゃない」 「良心的であることは関係無い。ここで重要なポイントはもっと外側の制約により、原作通りにならないことが決まってしまうことだ」 「ええっ?」 「理由は2つある」
「なるほど」 「だから、SPACE BATTLESHIP ヤマトはアニメと同じ内容になってはならない、という制約を最初から課せられていたと思うべきなんだ」 「そうか」 まだある §「この制約は、おそらく映画人の常識である」 「そんなものかね」 「とすると、アニメのヤマトでもそういう傾向は顕著に見られる」 「というと?」 「映画のヤマトは、第1シリーズを除き、この制約に忠実に従っているのだ」 「えっ? どうして?」 「より正確に言えば、初回上映版も第1シリーズは制約に従っている」 「ええっ?」
「完結編なんてもう、最初からクライマックスだぜ。なんとガルマン・ガミラス崩壊」 「それまでのヤマト映画のお約束が裏切られているわけだね」 「お約束に対する裏切り満載。お約束に頼りたがるオタク達が嫌がるのも無理は無い。でも映画はそういうものだ」 「どうしてそうなるんだろう?」 「そこは必ずしも明確では無いが、舛田利雄というれっきとした映画監督がシリーズの中核にいたことは意味があるのだろう。そこからの思想的影響という可能性も考えられる」 「なるほど」 オマケ §「どうでもいいが、はたと気付いた」 「なんだい?」 「たとえば、かつて、『ゴジラ対宇宙戦艦ヤマト』というネタを考えてもかなり夢想に近いものであった」 「うん。トクサツとアニメだし、時代設定も違い過ぎるしね」 「でもさ。ヤマトとライダーの共演はもう夢想では無い」 「そうか。実写のヤマトが既にあり、実写ヤマトの第1艦橋のセットの中でライダーがアクションを見せても違和感が無い訳か」 「時の列車デンライナーで2199年までやってきたモモタロスが第1艦橋で『俺、参上』と言ってもさほど違和感は無い。しかも、第1艦橋はデスラーが来てのし歩いた実績のある場所だ」 「そうか。デスラー対電王第1艦橋の決闘か」 「アニメだとヤマトの横を飛ぶ999という映像ができてしまうのかも知れないが、VFXならヤマトの横を飛ぶデンライナーだろう」 オマケの挑戦状 §「昔、ザドラえもんズ 怪盗ドラパン謎の挑戦状!という映画があってねえ」 「それがどうした?」 「凄く面白かったけど、かなりの割合のオタクは存在そのものを無視したみたいだ」 「へえ」 「ザドラえもんズというのは映画の王道らしく、毎回主役が変わるのだ。つまり先を読ませない」 「えっ?」 「ザドラえもんズは7人存在するのだが、毎回、主役を取るキャラが違うのだ」 「ドラえもんが主役じゃないの?」 「違う」 「違うのか!」 「そうだ、ドラえもんもザドラえもんズの1人であるが、ピンチに参集する仲間の1人でしか無い」 「ドラえもんだと主役なのに」 「で、問題は怪盗ドラパン謎の挑戦状だが。この映画の特徴は、善と悪が交錯して誰が悪か容易に読ませないことなのだ」 「へえ」 「怪盗ドラパンという怪盗が悪党であると見せ掛けられるが、実は少女を人質に悪事をやらされていたことが判る。そして、ザドラえもんズの全員が行動不能になったあとで、当初悪役だったはずのドラパンこそが主役になって悪と戦うのだ」 「そうか」 「これは、完結編のカットされた展開を彷彿させる。地球を侵略しようとしていたはずのデスラーが最後に『ヤマトは宇宙の良心なのだ』と助けに来る」 「戦うことができなくなったヤマトの代わりに、この瞬間だけはデスラーが主役になるはずだった、というわけだね」 「ミミミという少女が間に入ってドラパンとザドラえもんズを和解させちゃうのも、スターシャが間に入ってヤマトとデスラーを和解させちゃうようなものだろう」 「イスカンダルではデスラーが敵か味方かなんて誰も問題にしないですぐ支援に入るものね」 「スターシャの威光だ」 次回予告 §「話が長くなったから分けるぞ」 「次回をご期待ってことだね」 「凄い展開が君を待つ」 「ヤマトが浮上しちゃうぐらい?」 「関東平野が浮上しちゃうぐらいだ」 |
